発音トラブル発生! (4) 米国LAマラソン大会で★メダルがなぜメロンに!?

メリさんの告白、とにかく衝撃的だった!★欲しいのはメダルでなくて、メロン?

数年前のこと、夫がアメリカのロスアンゼルスの郊外で行われたハーフマラソンに参加した時のこと。

頑張って走ってメダルが欲しい人がたくさんいた。メダル獲得の話になった。

 

"I wanna medal!" "  I wanna a gold medal!"

現地の人々が皆でメロンメロンと言っていた。

メダルとメロンが私にはどうしても結びつかなかった。こんなに分からない単語があるのかと、とにかく衝撃的だった!

 

medals

 

★イライザ前田先生の解説 ★

medal メダルがなぜメロンに聞こえたかの解説です。

まず、この語は me・dal というように、2つ音節からなる語です。この単語のストレス(アクセント)は、me のメにあるので、ここは、日本語と変わらずに聞き取れますね。

 

問題は、その次の音節 dal です。こちらは、ストレスがないので、リダクション現象が起こり、音が日本語のダルとは相当変わってきます。dal ダルの母音アは実際には存在しなくなり、簡単に表記すると / dl / という発音になり、これを専門用語では成節子音と呼びます。母音がないのに節を作るからです。

 

さらに、/ d / と / l / は同じ場所、この場合は上の歯茎でできる音で、同一調音点の子音となるために、/ d /  はday などのように通常の破裂音ではなくなります。

 

メロン

 

もう少し詳しく話すと、通常は舌の先が歯茎から離れる際に破裂するのですが、この場合は舌の側面が歯茎から離れる際の破裂となります。そして、破裂すると同時に舌先だけが歯茎についていて、/l/の子音も発音されるのです。これが、/dl/ の発音です。

 

また英語の/ l /  には明るいLと暗いLの2通りありますが、この場合は、後者の暗いLになり、舌の力を抜いて発音します。しかも、日本語の様に最後が母音で終わらないので、メダルのルが聞こえないのです。

 

あえてカタカナにすると、メロに近い発音になります。さらに、日本語のメロンはメ・ロ・ンと3音節になっていますが、最後のンは、きちんと/n/ の発音をしていないことが多いので、日本語にある近い発音ののメロンと聞き違いしていまったのですね。

 

詳しいことを知りたい方は、当スクールの発音矯正レッスンで、理論と実践で正しい発音が学べるのでおススメできます。

 

 

 

 

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