fr- と fl- 、日本語にない発音ができないと、英語は始まらない!
今回は、NHK TV番組のクローズアップ現代で、2月14日に放送された内容から、航空機で使う”夢の燃料” の話。
廃食油、つまり使用後の揚げ油を燃料として使うと結果的に環境に良いので、廃食油の争奪戦が繰り広げられているという。
ドイツ拠点のルフトハンザドイツ航空のコピーが大変キャッチーだと話題になっている。
それは、
“Fry to fly.” 直訳すると「飛ぶために揚げなさい」
たった3語で全く新しい考えを示している。
何がキャッチーかというと、その英語の発音であり、fry とfly で韻を踏んでいて、大変面白く傑作なコピーだと実に感心する。
つまり、それぞれ3つの音素でできている語で、最初と最後が同じ。異なるのは ”r” と ”l” である。
残念ながら、英語の発音に意識を向けない傾向がある日本人には、そのキャッチーさが理解できないだろう。
カタカナでは「フライ ツー フライ」となり、全く意味を成さず悲惨で、使えない。
そこで気になる発音練習をしてみよう!
音源 それぞれ2回ずつ発音
連続する子音だけの発音 fr fl
1) fry /frai/ (油で揚げる)fly /flai/ (飛ぶ)
2)free /fri:/ (自由な)
flea /fli:/ (のみ)
*フリーマーケットは「のみの市」。
3)fruit /fru:t/ (果物)
flute /flu:t/ (フルート)
* 果物の複数形は fruits /fru:ts/
ルフトハンザの SAF タンク 施設の看板
”SAF” Sustainable Aviation Fuel の略。「持続可能な航空燃料」を意味する。化石燃料と比較して二酸化炭素の排出量を約80%も削減できるので、次世代の航空燃料と期待されている。
そこで注目されているのが廃食油であり、天ぷらや唐揚げなどで使用した油をリサイクルしながら燃料として使用できるという。
”Flight Shame” (飛び恥) という言葉が、ヨーロッパの気候変動問題に関心が高い人々の間で使われているという。特に環境先進国で知られるドイツでは、隣接する国が何と!9カ国にも及び、国外旅行好きの人がとにかく多い。
鉄道などの移動に比べると、航空機での移動は二酸化炭素の排出量をさらに増やすことになるから、Flight Shameという言葉が生まれる背景にもなった。
島国である日本では、国外に行くには航空機を使う事が必要だ。急速に、SAFに対する意識を更に高める時代になった。
そして、やはり、言葉には発音が大変に重要だ!